2008年1月26日土曜日

車購入記2008(その2)

次に向かったのは,何度かお世話になっているスバルのディーラー.

こちらもアポイントとってなかったけど,点検でお世話になったセールスの人がついてくれる.
この人は同い年かちょっと下ぐらいなんだけど,車のことにも詳しい上に,つかずはなれずいい距離で説明してくれる.
押し売りもしてこないし,かなり波長が合う感じがする.
こういうセールスの人から車を買ったらいいんじゃない,と妻もいう.

とりあえず,試乗してみるかということで,フォレスターXSを試乗.
以下は個人的なインプレッションである.


*****

・ 乗り込んで運転し始めるが,そんなにパワーのある感じではない.
重量があるせいか,今のインプレッサ(1.5)と出だしはあまりかわらんのでないか,という印象を受けてしまう.

・ 広い道で少し飛ばしてみるが非常に安定している.
逆に言えば面白みがない.
車高が昔より更に高くなっているせいか,けっこうロールする.
あと,アクセルを踏めばまあまあ加速するけど,かなりエンジン音がうるさい.
これも,今のインプレッサと変わらん.

・ 15分ぐらい試乗しての感想は,「なんかミニバンみたい...」
セールスの人がいうように,昔のフォレスターと比べたら,乗り心地はすごく快適になってる.
アイポイントも昔から3cmぐらい上がってるので,見晴らしがいい.
が,ボディがでかくなってることもあり,俊敏性,というか,キュ,キュって曲がる感じは全くない.
のそ〜のそ〜って感じが強い.
この感覚は.....加速感と乗り心地を除いたら,昔運転させてもらったステップワゴン?みたいな.
(まあ,本当は違うけど,そんな雰囲気ってことで.)
試乗ではわからないけど,おそらく峠道走ってもぜんぜんつまらんだろうね.

・ あとかなり不満なのが,インパネの辺り.
インパネ辺りは先代から改悪だけど,今回はそのまんまインプレッサと同じ.
エアコンなんか,今乗ってるインプレッサのダイアル式のエアコンとほとんど変わらんじゃないか.
2代前のフォレスターは,レガシィと同じデジタル表示のかっちょい〜タイプだったのに.
こんな目に見えるところがコストダウンしてると,昔フォレスターに乗ってた人間は悲しくなってしまう.

・ 後ろの席が広くなったのは,先代のフォレスターから比べて非常にいい点である.
荷室も荷物がかなり積めるだろう.
あと,標準でクルーズコントロールが付いてるのはかなりお得な感じがする.試乗で使う機会はなかったけど.

*****

というわけで,実は全体的にすごくいい!って訳ではなかった.
(セールスの人には,よくなったね〜と言っておいたけど.)

後は値段ということで,見積りをもらう.
取りあえず,XSに以下のオプションだけつけてもらうことにした.
・ベースキット
・HDDナビ(ディーラーオプションの一番安いやつ)
・ETC

これで出てきた見積りが,本体値引き10万程度,オプション値引き6万程度(ナビキャンペーン値引き)の総額約270万.
実は,ナビ付きで255万ぐらいが目標なんだけど,まあ初回の見積りとしては,こんなもんんだろう.
諸費用とかかなり削れるものもあるという話なので,取りあえず,見積りを持ってスバルを後にした.

最後に,日産ブルーステージのお店へ行く.
昔は日産プリンスとか,日産モーターとか言ってたのだが,最近レッドとブルーになってからは,全販売店で同じ車を売ってる.
なので,レッドステージがダメだったので,ブルーステージも見てみよかということになった.
ちなみに,日産の2店もスバルの店も,自宅から車で10分圏内.
けっこう田舎なのに,近場にディーラーが多いというのは恵まれてるな.

ここもアポイントなしで行って,ついてくれたのは結構年配のセールスの人.
後でわかるのだが,ディーラーの係長だった.
結局,最後にはこの辺が決め手となる.

車はレッドステージで見たので,とにかくデュアリスを試乗.
欲しいグレードは20Gだったけど,少し安い20Sが試乗車となった.
以下は,個人的なインプレッションである.

*****

・ 乗った瞬間に違いがわかるのは,シート.
とにかく,中央がやわらかくてきもちいい.
ウレタンが,かなり分厚く入ってるんじゃないだろうか.
ネットとか雑誌とかではフランス車っぽいシート,ということだけど,とにかく日本車ではこんな感覚の車に乗ったことはない.
うちにある,グランドマンボウソファの座り心地に近くて,かなり快適.

・ 走り出しの合流では,CVTの加速を試してみた.
結構いい出だしをする.
CVTはうちのR2でしか経験してないけど,すごく普通な感じがする.
フォレスターの方が4ATだったので,こちらの方がスムーズに感じる.
横にセールスの人が乗ってたので,変速させるとこまではやらなかったけど.

・ あと,特筆すべきは静粛性だろう.
このクラスのSUVにしては,かなり静かじゃないのかな.
これもフォレスター比較だけど,新フォレスターは加速するとかなりうるさい.
しかも,バラバラバラッ,ちゅういわゆる水平対抗エンジンの音で,あんまりスマートな感じではない.
デュアリスの方は,アイドリングから静かだけど,加速してもあまりノイジーな感じはなかった.

・ ただし,荷室と後ろの席はちょいと狭い.
でも,後席は,今のインプレッサと同じぐらいの広さだと感じた.
普段後席に乗るのは,我が家のお姫様(名前:コロ)ぐらいだから,あんまり関係ない.
荷室は数値で見ると今のインプレッサより10cmぐらい奥行きが狭いみたいだけど,その分横幅が5cmぐらい広くなるので,困ることはないだろう.

・ 最後に自慢の操縦性だけど,試乗ではそこまで試せませんて.セールスの人が乗ってるのに.
ただし,結構な段差を乗り越えても,ミニバンみたいに大きなショックが来ることはなくて,かなり固い感じではある.

*****

という感じで,なかなかの好感触.
世の中にでている様々なインプレッションとだいたい同じ感触みたいやね.

家に帰ってからふと気がついたんだが,そういえば,昔乗っていた初代プリメーラに雰囲気がなんとなく似てる.
あれはいい車だったなぁ...(遠い目)

セールスの人は,あまり売り込んでくるというわけではないのだが,熟練セールスという感じで探りを入れてくるタイプ.
「試乗されませんか〜?」
「見積り作らせてもらってもいいですか〜?」
「アンケート書いてもらってもいいですか〜?」
とかね.
車の話は詳しくないけど,車を売るのは上手そうで,結構やりやすい.

で,早速見積りをもらう.
ちょっと気が変わって,デュアリス20GにナビとETCなしで以下のオプションを付けて見積りしてもらった.
・ フォグランプ
・ カーアラーム(盗難警報装置の一番安いやつ)
・ プラスチックバイザー
・ ナンバープレートリム(前後)
・ フロアカーベット

で,出てきた見積りが,本体から10万円引きで約252万円.
諸費用どけると,フォレスターより数万円高い.
まあ,最初はこんなもんかな,と日産を後にした.

この週末はこれでおしまい.
買うのを焦ってる訳でもないので,とりあえず,次の週末までほっとくことにしたら,日産のセールスの人からは,手紙と電話があり,電話では,
「いいキャンペーンがあるので,ぜひ今度の週末にお越し下さい.」
とお誘いがある.
一方,スバルからは何もなし.やる気ないのかスバル?

とりあえず,2月2日の土曜日にもう一度,両方のディーラーに見積りをもらってから考えるぞ.
乗った感じではデュアリスかなぁ?という雰囲気もあるけど,フォレスターもそんなに悪いわけじゃないんで,あとは値段勝負だな.

以下,(その3)に続く.

車購入記2008(その1)

まず結論から書くと,以下のようになった.

日産デュアリス, 20G 2WD,色:レディッシュカッパー



今度車を買うのはいつになるやらわからないから,購入の顛末を記録として残しておこう.

今乗っているインプレッサ(平成15年式,1.5i-S)は,結婚直前にあまり長く乗るつもりもなく中古で買ったもの.
当時はフォレスター(S/tb)に乗っていたけど,嫁さんにはこのターボ付きのフォレスターの運転は無理やろね,ということでしかたなく買い替え.
(ま,他の人にあまり言えない理由もあったんだけど(^^;)
ところが,いざインプレッサに乗って見て,「こんな大きい車は運転できん!」と,嫁さんは軽のR2を自分のお金で購入.
あらら,インプレッサに乗ってる意味がなくなってしまった.

そんなこんなで3年ほど経ち,最近になって,気になる車が2台発売された.
それが,フォレスターとデュアリス.
もともと車の選択基準は,
・ まあまあ走りがよい.
・ あまり大きすぎず,小回りが利く
・ 荷物が結構積める
というかなりおおざっぱだけど相反する基準で,これを満たすのはこの2台ぐらいしかなかった.

そうこう考えているうちに,今のインプレッサをほどよい値段で引き取ってくれる知人が出現.
時期はちょうど決算期.
一年で一番値引きが大きくなって車が安く買える時期なので,これは,買うしかないと,資金繰りを立てて嫁さんに話をすると,無事OKがでる.

というわけで,決算期を狙いつつ,1月26日に嫁さんを連れて一回目のディーラー巡りを敢行.
ちなみに,今回の必須装備は,
・ フォグランプ(フォレスターには標準,デュアリスにはオプション)
・ 盗難防止装置(フォレスターには標準,デュアリスにはオプション)
・ 安いHDDナビとビルトインETC(どっちにもオプション)
で,あるとうれしい装備は,
・ インテリジェントキー(フォレスターにはオプション,デュアリスには標準)
・ 左右独立温度調整エアコン(フォレスターには設定なし,デュアリスには標準)
・ クルーズコントロール(フォレスターには標準(!),デュアリスには設定なし)
という感じである.
この辺,なかなか満足がいくようにはならないので,まあ,どっかで妥協しようと思う.

まずは,自宅に一番近い日産レッドステージ店へアポイント取らずに行ってみる.
が,車を降りて挨拶してもらったセールスの方が....いま一つ,いや,いま二つ.
ぜんぜん車のこと知らない感じがする.セールストークもうまくない.
歳は40ぐらいだろうけど,セールスに転職したてなんだろうね.
車も,屋外の展示車はあるけど,試乗車は今日は出払っているとのこと.
一応見積り作ってもらったけど,値引きも5万円だけ.
このセールスの人は,あまりしゃべらず,しゃべったと思ったら声がうわずってかなり緊張している模様.
車を買う相手としてはかなり不安なので,早々に退散.

その後,その日の夜にいきなり自宅に来て,「どうですか?」とか言われたけど,「他の車にする」と言って早々にお断りした.

以下,長くなりそうなので,(その2)に続く.

2008年1月10日木曜日

Mt. Naeba

ときには,レジャーに行って,なんかすっきりしないときというのがある.

例えば,
・ 花見に行ったら,桜が散ってた上に,底冷えがした.
・ 海に行ったら,クラゲだらけだった上に,雨が降ってきた.
・ 紅葉狩りにいったら,道に迷った上に,山の斜面でずっこけた.
なんて感じだろうか.

今回のスキーツアーは,まさにそんなパターンの旅行だったといえるかもしれない.

今回は,毎年恒例の関東組&福岡組スキーツアーを苗場ですることになったので,朝早く起きて車に乗り合い福岡空港に向かう.
平日の朝7時半に,おじさん3名が,ANAで旅立ち,向かうは新潟.

今年のツアーは,参加者全員ANAのマイルが少し残っているということで,飛行機はマイルで無料になっている.
そのかわり,苗場までの交通手段と宿泊はこちらで予約した.

新潟空港到着が少し遅れたので,バスではなくタクシーに乗って新潟駅到着.
新潟駅で初めての上越新幹線に乗り換えて,越後湯沢へ向かう.
初体験の上越新幹線だったけど,まあ,東海道&山陽新幹線との違いはあんまりないね.

越後湯沢駅で関東組と待ち合わせて1日目のホテルである,御宿本陣へ向かう.
ここは苗場では唯一と行ってもいい温泉宿で,朝晩バイキング.
晩ご飯は,鍋と一品料理のバイキングで,鍋は,寄せ鍋,キムチ,豆乳,すき焼きから,選べるらしい,ということは前もってわかっていた.
値段は5人一室朝晩飯付一泊一人6,800円だったので,あまり期待してなかった.
が,結論からいうと,期待してなくてよかった.

まず,温泉,というわりには,えらく狭い大浴場.
しかもなぜか2カ所に分かれている.
1つはまあまあの大きさの露天風呂と洗い場が3つ.
もう1つは,超狭い露天風呂と,狭い内湯と洗い場が3つ.
こんなんでくつろげるわけがない.

部屋はまあ,普通の和室.広さも10畳ぐらいで普通.
ただし,布団とかは,かなりシミあり.どっからまぎれこんだんだというティッシュのかけらもついている.

それではと期待の晩ご飯の鍋は,空の鍋が置いてあって,横にスープがどんと置いてあって,好きなやつを入れて勝手に煮ろと.
はい,勝手にやりました.
最初はすき焼きの汁を入れたけど,すき焼きというにはかなり薄かったので,途中からキムチの汁を足した.
それでも味が単に辛くなっただけだったので,バイキングで置いてあったキムチを入れてみた.
中々いい味になったけど,途中から飽きてしまったので,最後に豆乳をどぶどぶどぶ〜.
コクが出てまったりしたいい味になったけど,キムチ味の勝ち.

まあ,そんなんで遊びたくなるぐらいどうでもいいバイキング.
その割につっ立ってるアルバイトのにいちゃんたちだけは多くて,監視されているような雰囲気.
朝飯もどうでもよかったなぁ.

宿のサービスも,人によりけり.
宿の従業員の人はきちんとしてるけど,アルバイトの人たちは,例のマニュアル接客で,お客に顔を向けてなけりゃ何しててもいいだろ,って感じ.

で,この辺ではたと気がつく.
そうか,ここは,関東圏なんだと.
広くない部屋や風呂,一見豪華で中身はおいしくない食事,マニュアル接客.どれも関東風の匂いがする.
そういえば,宿の宿泊者の人たちもどことなく関東の人たちが多いような.
新潟とはいえ,ここ苗場は関東のスキーヤーが多いので,こんなことになるんだろうねぇ.

と,ここまで書いてふと思い直すと,これで一人6,800円.
しかも,実は,スキーかスノボレンタルが1日分無料.
まあ,民宿に泊まったと思えば,文句は言ってはいけないか.

お次は苗場スキー場だけど...なんかよくないね.
まず,雪質がよくない.1月上旬とはいえ,かなり雪は降っている.
なのに,下の方は溶けててむちゃくちゃ雪が重い.
ニセコと比べちゃいけないのはわかってるけど,蔵王磐梯と比べてもぜんぜんよくない.
中国地方の瑞穂とおんなしぐらいかもしんない.

ついでに,コースの配置が横に広い.
縦に広いと,一番上に登ってざぁっと下まで滑るのが気持ちいいんだけど,ここは滑ってはリフトに横に移動,滑ってはリフトで横に...
全コース滑るだけで,ほぼ1日かかるけど,ぜんぜんおもしろ味なし.
それでも山頂の景色は良かった.

それにしても,このスキー場には上級者がいなかった.
関東からアクセスがいいから,ここは,関東人の初心者集合場所なんだろね.

スキーは1日目の午後と2日目朝から滑って,雪質の悪さに飽きて午後3時ぐらいに終了.
そこからは,越後湯沢駅まで関東組の人に送ってもらって,新幹線で新潟駅に帰る.
その日は新潟駅周辺で打ち上げようという算段である.
ところが,前もって調べていた五郎という居酒屋が電話してみたら満席.
しょうがないので,インターネットで調べて,ホテルの近くの 肴いちばというお店に行く.
結果: 普通
店は繁盛してて,刺身もおいしいけど,うまい魚を食べ慣れている福岡県人には,まあ,このレベルのお店は天神や博多に腐るほどあるやろねということ.

ただし,日本酒はやはりおいしかった.
九州の居酒屋は,日本酒を保存するという概念がないので焼酎と同じ扱いで常温でほっぽったりするんだけど,日本酒はそんなことすると味が確実に落ちる.
その点,酒所新潟の居酒屋さんは,その点を心得ているのか,それとも日本酒が新鮮なのか,どれも味がはっきりしててうまかった.

そういえば,新潟で宿泊したホテルは,ニイガタ ステーションホテル
普通のビジネスホテルって感じで,朝ご飯の飯が妙に山盛りだった以外は,感想はなし.

という感じで,まあ,年に一回スキーにかこつけて,旧知の人間が集まってしゃべる会と思えばそれはそれで楽しかったけど,苗場にはもう行くことはない,と思う.

来年は,富良野とかいってけど...どうなるんだろうね...

2008年1月7日月曜日

たとえ話

今回は少し趣向を変えて,最近の身の回りの話を,いつか使えそうなたとえ話として備忘録に書いておこう.

*****

若造のA君は,かなり前からある車が欲しくてたまりませんでした.

その車は,通勤路沿いの自動車ショップに展示してある超高級スポーツカーでした.
少し古い中古車だったけどうっとりするようなデザインで,A君はその外観に惚れ込んでしまっていました.
彼にはとても買えないような値段だったので,決して手に入れることはできなかったけど,それでもその車に対するあこがれは消えることがなく,店頭に飾られているその車を横目で見ながら毎日通勤していました.

ところがある日,そのスポーツカーが500万円で売りに出されていることを知りました.
ショップの経営が苦しくなったのか,かなり安値で売り出されたようです.
彼はお金はなかったけど,矢も盾もたまらずそのショップに行くと,「試乗させてくれ」と願い出ました.
このショップの店長はそのスポーツカーを大変大切にしている人で,普段ならそんな一見の客に試乗させる訳はなかったのですが,たまたま店長は不在にしていたので,アルバイトの店員を説き伏せて,試乗することに成功しました.

それ以来,A君はこのスポーツカーの虜になってしまいました.
確かに高性能なスポーツカーは,A君にとっては乗りこなすのは大変でした.
しかし,そのデザインやかっこよさは他に比べようもありません.
店長が不在のときにショップに行っては,アルバイト店員の制止を無視して何度も試乗を繰り返しました.
「絶対にこの車を手に入れてやる!」
A君の心はそう固まっていきました.
が,しかし,A君には100万円しか貯金がありませんでした.

ある日,A君は意を決して,店長がいる時にそのショップに向かいました.
そして,初対面の店長に向かってこういいました.
「絶対大切にするからその車を100万円で売って下さい!」
いきなり見知らぬ客にそんなこと言われても店長は面食らうばかりです.
500万円でも安いと思っている車を,100万円で売れるわけがありません.
店長はA君をほとんど門前払いするように追い返しました.

しかし,A君のその車を手に入れたいという気持ちはおさまりませんでした.
どうすればその車を手に入れられるか...
そればかりをA君は考えていました.

ある日,A君はついに行動にでました.
店長のいない日にそのショップに行き,アルバイト店員の制止も聞かず,いつものように試乗するといって無理矢理その車を持ち出しました.
そしてあろうことか...
A君はその車をわざと正面から電柱にぶつけたのです!
車は大破,とまではいかなかったものの,なんとか自走できるという程度まで壊れてしまいました.

彼はその車を運転してショップに戻ると,そこには店長が帰ってきていました.
その車を見て唖然としている店長に,A君はこう言いました.
「事故を起こしてしまい申し訳ありません.でも,修理は保険でできるはずです.
 ただし,もうこの車は事故車だから100万円の価値ぐらいしかないでしょう?
 だから僕が責任を持って100万円で引き取ります!」

さてさて.....
こんなことをする前に,A君が車を手に入れる方法はなかったのでしょうか?
もちろん,いくらでもあるはずです.

まず,お金を貯める.
今やっている仕事だけではお金が貯まらないんだったら,夜にバイトをしてもいいでしょう.
または,もっとお金の貯まる職に転職するのも1つの手でした.
一番いいのは,今の仕事に精を出して,ボーナスや昇給を手にすることだったかもしれません.

また,店長と仲良くなることも必須だったでしょう.
最初は一見の客ということで追い返されるかもしれませんが,何度も通っているうちに同じ車を愛するものとして親愛の情がわくはずです.
そうすれば,A君の車に対する愛情にほだされて,かなり値引きして売ってもらえたかもしれません.
そうでなくても,きちんと分割で払うことを条件にすれば,ローンで買うことも無理ではなかったでしょう.

また,アルバイト店員と仲良くなっておいても損はなかっと思います.
アルバイト店員から店長に口添えしてもらえるかもしれないし,いろんな情報もわかるはずです.

しかし,A君は自分の欲しい車以外のまわりのことが全く目に入らず,こんな行動に出てしまいました.
若さゆえの過ちですませられることでしょうか.

そして,結局,その後のA君とスポーツカーがどうなったのか?
どうなるんだろうね?

やれやれ.....