2009年12月24日木曜日

ノースサファリサッポロ&章月グランドホテル (定山渓温泉旅行その2)

さて,話は前回の定山渓旅行の続きである.

ふる川をチェックアウトした後は,徒歩で2日目の宿の章月グランドホテルに向かい荷物を預けた.
途中,定山源泉公園なるものがあって,足湯なぞあるが,真冬なのでもちろん使えるわけがない.
定山渓の開祖らしい美泉定山像をペタペタと触って遊ぶぐらいが関の山である.

荷物を預けた後は,バスで今回の唯一の観光スポットであるノースサファリサッポロに向かう.
名前は「サファリ」だが,実際の内容は最近良くある体験型動物園.
ところが,さすが北海道だけあって,ちょっとびっくりな施設なのである.

びっくりその1: 
山羊やラマやトナカイのいる柵の中に入ってエサをやることができる.
いや,そんなことしたら普通おそわれるやろ,と思ってたら案の定,エサを持った嫁は山羊にチョキを食らわされていた.
(注:「チョキ」ってのは4本足の動物が前足を挙げて人をポンって押す動作のことね.)
白いコートを着てたので,コートが泥だらけになって,ギャ〜,である.
ちなみに,クリスマスだったので,トナカイがつながれてるそりに乗って写真を撮ってもらいました.

びっくりその2: 
屋外は寒いので,2人入るとちょうどいいぐらいの大きさのビニールハウスみたいな休憩室がある.
その中はストーブも焚いてあり,至極あったかいので,飲み物なぞ飲むのにちょうどいい.
が,それに加えて,なぜかその休憩室の中には,ウサギやモルモットが無造作に入れられていて触り放題.
下手したら踏まれるんじゃないか?とおもうやつもいるが,そこは彼らも慣れたもので,人間が入ってきても大して気に留めず,眠ったままである.
ま,あまり触ってると逃げてしまうので,ほどほどに.

びっくりその3:
これが一番驚いたが,併設のフクロウとキタキツネの森というところに行くと,なんとキタキツネと同じ檻に入ることができる.
キタキツネは警戒心が強いので,近寄ると逃げてしまうけど,それでもこんな近くでまじまじと観察できるとは.
キタキツネって天然記念物とかの希少動物かと思ってたけど,全然違うらしい.
おまけに,1匹のキタキツネは鎖に繋がれてて,番犬状態でどうぞ遊んで下さいとのこと.
触ろうとすると警戒して避けるが,しばらく何もしないでいると,好奇心が強いらしく服の袖口に噛み付いて遊ぼうぜ〜という状況になる.
日本でキタキツネに触って遊べるのはここだけなんじゃないかねぇ?
他にも全身真っ白な北極ギツネやシルバーフォックス(銀狐)もいるのだった.

という感じで2時間程アニマルセラピーを堪能しつつ,また,バスで章月グランドホテルに戻ったのだった.


さて,章月グランドホテルの感想も少し書いておくと...結論は,ちょっと期待はずれ.
先にいいところを書いておくと,景色はすばらしい.
決して高台にあるわけじゃないんだけど,渓谷に沿うように建っているので,窓からの景色はちょっとした風景画の様である.
あと,部屋は純和風の和室だが,なぜか無料で2部屋の大きな部屋にアップグレードして頂きました.
感謝しております.

にもかかわらず,個人的な備忘録なので,ちょっとだけ苦言を書いておくのだが,この宿は食事が売りのはずなのだが....それがいま一つ.
この章月グランドホテルの料理長は,料理の鉄人にも出た有名人なのだが,どうもこの人と相性がよくないらしい.
実は,この料理長はちょっと前まで登別の第一滝本館にいて,ちょうどそのとき第一滝本館に宿泊した.
その時は第一滝本館の2回目の宿泊だったのだが,「なんか前の食事は感動したけど今回のは感動しないね」という感想だった.
それが,ちょうどこの料理長が第一滝本館にいたときのことなのである.
ま,頼んだコースが悪かったんだろ,ということでその時はあんまり気にしてなかった.

ところが,今回出てきた料理を食べてみると,味付け以前の話がちらほら.
とりあえず,お品書きを持って帰ったので,記録のために以下に貼っておく.


メニューを見ると分かるのだが,目新しいものがない.
なんか,どこの懐石料理やでも出てくるようなメニューでこれといった感動はなし.
前日泊まったふる川の創作料理がアイデア豊富だったので,余計にそう思ってしまうのかもしれない.
ただし,そういえば,ラム肉のしゃぶしゃぶちゅう珍しいやつはあるにはあった.
けど,なんか取ってつけたようなメニューで,ラム肉の匂いがとれておらず,嫁にはかなり不評だった.

あと,刺身盛り合わせの中にマグロを発見.
個人的には,北海道や九州でマグロが入ってる刺盛りを出すとこは信用しません.
だって,もっと美味しい地魚が豊富に捕れる土地柄なんだから,それを出して欲しいと思うのである.

そして一番の問題は,料理の多くが冷えてること.
せっかくのきんきの煮付けが,食べると「冷た〜い」ってなるほど.
これだけ冷めると,せっかくの味付けが台無しである.

実は,この理由は容易に想像がつく.
この旅館は部屋食がほとんどで,今回も部屋食だった.
で,もちろん食事は廊下を運ばれてくるのだが,なぜかこの廊下がやたら寒い!
北海道だからあたりまえだろと思うかもしれないけれど,寒い北海道はセントラルヒーティングが一般的なので,建物の中に入ると,どこでも暖かいのがあたりまえ.
なのに,ここは,窓が大きいからか,廊下に出るとやたら冷えるのである.
その寒さは廊下に暖房通してないんじゃないの?と思うくらいである.

こんな廊下に料理をちょっと置いておくと,それはもう冷たくなるのは至極当然.
この辺の気配りをするのが高級旅館ちゅうやつじゃないかと思うのだが,期待し過ぎなのかな.

他にもロビーに置いてあるフリードリンクのコーヒーが,煮詰まって酸っぱくなってたりと,とても食に気配りがある旅館とは思えないことが多々見受けられた.
嫁に言わせると,コストダウンのための粗がいろいろあるとのこと.
やっぱりどこも厳しいのかねぇと思う.

個人的には,部屋食を止めて,食事処にして人件費を削減するのが一番だと思う.
食事処にすれば,厨房と食事場所の距離を縮められて,食事が冷めることもないし,お酒も気軽に頼める.
(部屋食だと生ビールを持ってきてもらうのも大変.)
食べる方も,部屋を片付けて待ってるよりも,個室風の食事処の方がよっぽど気楽である.

というかんじで,ちょっと期待はずれの夕食だったが,翌日の朝食は食事処でおいしく頂いて,章月グランドホテルを後にした.

その後は,直通バスで千歳空港に向かい,お土産購入→朝市食堂で昼食,という千歳空港恒例の行事(?)を済ませて帰途についた.
ちなみに,帰りの飛行機の中では,今度は小樽かな?と早々と来年の構想が練られるのであった.

2009年12月23日水曜日

ぬくもりの宿ふる川 (定山渓温泉旅行その1)

やっと,終わった...

例年に違わず,今年も怒濤の1月2月だった.(ちなみに,この文章を書いているのは2010年の2月末.)
「テトリスのブロックのように降ってくる仕事」という言い方があるけど,今年はまさにそれ.
なんか,ちょっとはめ方を間違えるとゲームオーバーになってしまいそうになりながら,次から次へと割り込んでくる仕事をなんとかこなして,ようやくすべての仕事が一段落ついて,やっと備忘録を書く時間を確保できる様になった.

ただし,今年は無理がたたって,2月中旬にタイジョウホウシンというやつを発病.
実はこの病気をよく知らなかったのだが,調べてみると,以下のようなことが書いてある.

帯状疱疹:水痘・帯状疱疹ウイルス によって引き起こされるウイルス感染症の一種で,体の半分に帯状の水疱ができる.
子供のころにかかった水痘ウイルスが神経節の中に潜伏しており,免疫機能の低下により発症する.
60歳代を中心に50歳代~70歳代に多くみられるが,過労やストレスが引き金で若い人に発症することもある.

って,そんなに免疫力が低下してたのか....○| ̄|_

まあ,かの雅子様もかかったらしい一般的な病気で,一生に一度しかかからないらしい.
早めに病院に行って最近できたらしい特効薬を飲んで,軽症ですんだのでまあよしとしよう.

というわけで,やっと12月末の旅行の話を記録しておく暇ができた.
2泊3日の旅行だっただが,とりあえず今回は前半分だけ備忘録として書いておく.


年末恒例の,忘年会を兼ねたマイルによる無料航空券旅行の行き先は,北海道は定山渓温泉.
前年は暖かい沖縄だったが,やっぱり沖縄は食事が今ひとつで嫁に不評.
というわけで,またしても寒い寒い12月の北海道に降り立ったのであった.

今回の定山渓温泉は,札幌からバスで45分ぐらいの非常に便利のいい温泉街.
何度か車やバスで横を通り過ぎたことはあるのだが,宿泊するのは今回が初めて,のはず.
(北海道は何回も来てるので,昔の記憶があやふや...)
最近は,千歳空港からバス1本で来れるようになったので,更に便利になっているのである.

さて,旅行の目的は忘年会としてのんびりすることなので,2日目にちょこっと遊ぶ以外は全く用事を入れていない.
その代わり,宿泊するホテルは吟味に吟味を重ね,1泊目はネットで全般的に評判のよいぬくもりの宿 ふる川に,2泊目は料理の評判がよい章月グランドホテルということになった.

で,ふる川について書いておくのだが,個々の話から書くと文章が発散しそうになるので,全体的な話を書いておくと,かなり居心地のいいホテルである.
が,ま,ちょっといわゆる温泉旅館とは違う雰囲気ももったホテルである.
その理由を以下にぼちぼちと書いておこう.

部屋はふるさと館という通常より少しいいタイプの部屋である.
この部屋はなかなか居心地がよかった!
このホテルは,もともと定山渓パークホテルという名のホテルだったのだが,2001年に現在の名前に変えるときに,部屋数を減らしたそうな.
で,このふるさと館の部屋は,もともと2部屋だったのをぶち抜いて1部屋にした部屋である.
なので,もちろん広い.
片方が和室で,片方がベッドルームという和洋室である.
テレビは両方の部屋にあるし,和室でごろごろできる.

お風呂はまあまあ.
温泉街の大浴場としてはそれほど広くないが,露天風呂など一応のものはそろっている.
地下に,「む瞑み」とかいう露天風呂もあるけれど大したことはなし.
誰もいなくて気持ちよかったけどね.

そして,このホテルで一番よかったのは食事.
少しいい部屋に泊まっているので,長い地下廊下を通って個室の食事どころに通される.
この辺の演出はよくできている.

お品書きを持って帰ったんで,記録のためここに張っておこう.(クリックで拡大)


で,何がよかったかというと,けっして高級ではないけれど「日常では食べないちょっと珍しいもの」というツボをよく押さえてる.
お品書きをみるとわかると思うけど,お刺身はソイやアブラガレイ.
この辺の魚は,北海道ではぜんぜん珍しくない魚,というか,北海道なら魚自体は激安のはず.
昔,奥尻島でキャンプをしたときに,ソイは2時間で30匹ぐらい釣れたのを覚えているぐらいバンバン取れる魚である.
しかも,刺身で食べても結構うまい.
料理を高級にしようとするとこういうご当地ものの安い魚は出さないのが一般的だけど,旅行者には珍しいんだからそれを出すのは大正解だと思う.

焼き物の,ちゃんちゃん焼きやブリのアボガドポテト焼きも秀逸.
特に,ブリのアボガドポテト焼きは,予想ほど変わった味ではなく,ごく普通に美味しいと思える味だった.
他にも,じゃが芋あられ饅頭や鴨の鍋などちょっと変わった料理がもりだくさん.
全般的にいわゆる創作料理だが,アイデアがすばらしいと思う.

あと,ここで特筆すべきは,ドリンクの料金が安いこと.
一般にホテルのドリンクの値段は通常の1.5倍ぐらいするのだが,ビールや焼酎が普通の居酒屋の値段とかわらない.
お酒の種類も豊富なので,完全に居酒屋状態になって,ついついお酒が進んでしまうのであった.

ただし,最後のデザートは,なんじゃこりゃ?っていうぐらい手を抜いた感じ.
多分,デザートを作る専門の人はいないんだろうけど,これならフルーツの盛り合わせの方がいいんでない?という感じだった.

という感じで夕食はメリハリのきいたメニューで,個人的には大満足.
高級懐石でないとダメとか洋風のコースでワインとかいうわがままな人以外は,概ね文句のつけようがない料理だと思う.
朝食もなかなかで,満足度の高いホテルだった.

最後に,「いわゆる温泉旅館とは違う雰囲気」について書いておこうか.
一泊してふと頭に浮かんだのが,「なんかディズニーランドみたい」という感想である.
ホテル全体に相田みつをの書があったり,入口で甘酒を振る舞うお休み処があったりとさまざまな小さなサプライズがある.
館内の人たちも,マニュアル化されておらず,元気ではきはきとした感じの接客をしてくれる.
たぶん,名称変更のときに,しっかりしたプランナーがホテル再生の様々な仕掛けや従業員教育を考えたんだと思う.
お客さんに楽しんでもらおうという雰囲気をひしひしと感じる.

た・だ・し,逆に言えば,ゆったりとした時間が流れる雰囲気ではない.
館内も部屋以外は全体的にコンパクトなので,あんまり落ち着ける場所もないし.
なんか,地方人の考える安らぎ(ゆったりとした時間,余裕のある空間)ではなくて,都会人のための楽しみ(様々なサプライズイベント,明朗闊達な接客)が重視されてる気がするんだなぁ.
ま,都会に住んでる人間なら,これぐらいの宿でもゆったりした雰囲気だと思うんだろうね.
ちなみに,うちの嫁にはこのホテルは非常に評判がよかった.
いろいろと細やかな気遣いがあるので,確かに女性には好まれるかもしれない.

という感じで,単なる高級ホテルではなくて,なかなか楽しいホテルなので,定山渓に行く人にはぜひお勧めします.
個人的にも,定山渓にまた行くことがあればきっと泊まると思う.
が,1泊だけするとちょうどいいのかな,と最後に付け加えておこう.

2009年12月5日土曜日

すし磯貝

既に年が明けて2010年になったけど,昨年の話がまだまだ残ってるので書いておかなきゃいけないだろうて.

11月末から12月の中旬にかけては,全くの週休1日.
なぜかってぇと,毎週土曜日は,朝の10時から夕方の5時まで天神のとある一室に籠ってひたすらしゃべるというお仕事をやっていた.
全部で4週あったのだが,2週目が終わった頃からノドが風邪っぽくなってしまった.
そりゃしゃべり過ぎだからな.

3週目は咳止めを飲んでやらざるおえない状況だったけど,最後の方になると声がかすれて出なくなる始末.
慌ててお手伝いの人に水を買って来てもらって,なんとかその場は凌ぎましたとさ.

4週目が終わった日は,そのまま自宅近くの予約しておいた居酒屋さんで乾杯.
その時のビールのうまかったこと.
まあ,小遣い稼ぎにはなるんだけど,もう当分はこの仕事はやりたくないね.

で,そんな仕事の話はどうでもいいのだが,2週目のときにちょうど嫁が天神に出てくる用事があったので,一緒にランチでも食べようかという話になった.
ただし,休憩は1時間しかないので,そんなにゆっくりはできなかった.

全く店を考えてなかったのだが,仕事場の近くのイムズというビルにあるすし磯貝という回転寿し屋をふと思い出す.
回転寿しなら時間もかからんだろ,ということでさっさと決定.

このすし磯貝は,磯貝という博多では有名なろばた焼屋さんが始めた回転寿司である.
ちなみに,磯貝は新鮮な魚料理を出す店なのだが,そのぶん値段もバカ高い,らしい.(行ったことなし.)
博多で接待に使うにはいいお店って感じな訳ですな.
なので,もともとすし磯貝がかなり高い回転寿司だというのは知っていた.

お店に行ってみると,12時前なのに既に10人ぐらいの列ができていた.
仕事があるので焦りながらも並んでいると,15分程度で入店できた.

さて,ここからはお寿司の話だけど,実は寿司は細かいとこはよくわかりません.
関東の寿司好きの人に言わせると,シャリがどうのこうのとか,切り方がどうのこうのいう話になると思うのですが,そんなこだわりはなし.
100円寿司で有名なスシローとかすしおんどの寿司をまあまあおいしいねと思ってて,もう少し高い自宅の近くの回転寿司(特に名は伏す)はうめ〜というレベルの舌しか持ってない人間の文章です.

第一印象は,値段が高い.
これはまあ当たり前なんだけど,普通の回転寿司のペースで食べてたら,一人3000円はかるくいきそうな雰囲気.
まあ,これはネタがいいので,まあよしとしよう.

次の印象は,ネタの種類が少ない.
こだわっているようで,ネタは全部近海物である.(マグロはあった.)
個人的には,博多の居酒屋で近海物以外の刺身を出すところはまったくダメな居酒屋さんだと思ってる.
それぐらい博多の近海物の刺身は,うまいと思っている.

がしかし,寿司のネタはバリエーションが欲しいなと思うのも正直なところ.
もちろん鮭はない.本マグロ以外のビントロとかもない.(ビントロは寿司好きにはゲテモノ扱いだが,個人的にはあれが好き.)
なので,何種類か食べると,あとは食べるネタに困ってしまうのである.

ここでふと気がついたのだが,このお店は回転寿司である必要があるのだろうか?
常連とおぼしき人たちは,ほとんど勝手に注文して,回ってる寿司には手をつけてない.
どうやら回ってないやつとか刺身とかを頼むのがこの店の流儀らしい.
みんな穴子を頼んでたので,まねして穴子を頼んだら確かにうまかった.

つまり,「寿司が回転してる」っていうのは,入ってくる人の心の敷居を下げるだけの役割で,実はほとんど意味がない.
そう考えると,たんなる高い寿司屋さんで,それならば博多には似たようなレベルの寿司屋はたくさんあると思う.

結局,時間がなかったので,2人で12皿ほどで止めたが,お会計は3800円.
この値段をばかばかしいと思うか,相応だと思うかはその人の自由だと思うが,個人的な感想は前者である.
カウンターのみのざわざわした店で出される寿司の値段ではありません.
高くておいしい寿司を食べるなら,回転していない雰囲気にもこだわった寿司屋に行った方がよっぽといいよと思うのであった.