2009年9月20日日曜日

日田日帰り旅行

それはなにげない出会いだった.

ある日,近くに新しい焼きそば屋ができたらしいですよ,という話を職場の後輩が持ってきた.
第一印象は,えー焼きそば屋?という感じ.
焼きそばって,だいたいは家で作るもので,外で食べるとしても,学園祭とか縁日とかで食べるというイメージしかない.
そんなB級,いや,C級の食べ物の焼きそばの専門店がやっていけるのか?と不思議に思っていた.

そのうちに新しいもの好きの後輩がその店に行ったというので,感想を聞いてみた.
すると,
「まあ,おいしい焼きそばですけど,焼きそばにしてはバカ高いのでもう行きません.」
という話だった.
焼きそばなのに,一人前700円以上,,大盛りにすると900円以上するらしい.
餃子の王将なら350円の焼きそばが,700円以上?
というわけで,完全に食べに行く気をなくしていたのであった.

そんなある日,うちの嫁が知り合いに連れられてこの焼きそば屋に行ってみたという.
その感想は,
「あそこの焼きそばは,普通の焼きそばとは全然ちがうもので,おいしくて癖になるよ.」
というものだった.
そういう話を聞いて,やっと「ちょっと行ってみようかな」という気になったのである.

店に入ってみると,店構えはラーメン屋のようなごくごく一般的な造りである.
そして注文して出てきた焼そばは....
確かに,これは他の焼きそばとは違う!
麺がパリパリして半分は揚げそばのような雰囲気がある.
そのくせもやしが多めに入っているので,ふうわりした感じもある.
ソースは普通の焼きそばのように強くなく,出しが強めについている.
どうやら,そばを具材とは別にじっくり焼くというのがこの店のスタイルらしい.

という感じで普通の焼きそばとは確かに違って,独特の風味を持った焼きそばであった.
ただし...
確かにうまいのだが,値段がなぜこんなに高いかだけはよくわからない.
具材は豚肉ともやしが中心で,普通の焼きそばとそんなに変わらないか,それより少ないぐらい.
なのに,なんで1人前で750円もするの?大盛りだと950円?という疑問は残った.

というわけで,以上が,焼きそばの想夫恋とのファーストコンタクトの印象である.
その後,何回か食べに行ったが,「おいしいけど割高」という印象は変わらない.
好きなメニューの,「青じそ焼きそば大盛り」とか頼むと1100円ぐらいとられるし.

実は長い間この想夫恋の焼そばはこの店独自のものだと思っていたのだが,ふとテレビを見ていると,想夫恋の焼そばは大分県は日田の名物の焼そばらしいということを知った.
なんでも,日田ではこの焼そばを名物として売り出していて,市内の数十店舗が焼そばの味を競っているとか.
これは一度食べに行ってみねばなるまい,ということで,予定のなかった9月のシルバーウィークに日田への日帰り旅行が計画されたのだった.


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前置きが長くなったが,今回はこの日田の日帰り旅行の記録である.

自宅を午前9時過ぎに出発し,まず目指すは.焼酎のいいちこを作っているいいちこ日田蒸留所である.
実は,ビール工場や焼酎工場など,無料で見学できるお酒の工場があるとふらふらと寄ってしまう癖がある.
いつもドライバーなので,お酒を飲むというわけではないのだが,お酒の製造工程って,けっこう面白い,と思う.

ここの工場は,案内の人はいなくて,勝手に見て行って下さいというスタイルだったので,仕込みや蒸留工程から貯蔵樽までまじまじと見学.
焼酎工業独特の香しいアルコール臭が,ぷん,と鼻をつくが,それはそれで趣深い.

見学の後は,試飲のできる売店で試飲,したいところだが,ぐっとこらえてジュースだけ飲ませてもらう.
嫁は果実酒など飲ませてもらって,お店の思惑通りにいくつかお土産を買って帰るはめになる.

全体的にあまり人がいなかったが,非常に雰囲気のいいゆったりとした時間が過ごせるとこなので,暇があると寄って見るといいだろう.

この焼酎工場を出た後は,今回のメインの焼そば屋に向かう.
数ある焼そば屋さんの中から選んだお店は,ネットで評判が良さげな三隈飯店,というお店である.

1時半ぐらいに店に到着したのだが,店の前には10人ぐらいの行列ができている.
さすが有名店だけのことはある,のかもしれないが,焼そば食うのに行列ねぇ...という気になる.
お店が小さいので,30分ぐらい待ってからの入店となった.

ここの焼そばは,普通で650円,大盛りで800円.
想夫恋よりは安いが,それなりの値段である.
ただし,焼そば+ライス+スープの焼そばセットというのが500円である.
でも,焼そばとライスを同時に食べるなんて,と個人的には思うので,単品で大盛りを注文した.

ここの店の珍しいところは,焼そばを注文しても最初にスープが出てくるところ.
そんなに濃くない豚骨スープで,ラーメン入れても美味しいだろうね,という感じ.
まあ,この店は豚骨ラーメンもメニューにあるので,そのスープだろう.

そんなこんなで注文してから待つこと10分ぐらいで本命の焼そば登場である.
食べてみると...
麺のカリカリ感じは想夫恋の方が強いが,ソースがまったりしており,味としてはかなりいけてると思う.
野菜がかなり多めで,その分ボリュームがあってジューシーな感じもする.
まあ,大盛りを頼めば,普通の男性でも十分お腹いっぱいになるだろう.
ただし,大盛りを頼むと最後の方になると味に飽きてくる.
これは味の単調な焼そばの宿命だろう.

ただし,確かにおいしいが,わざわざ日田まで食べにこんでも,これなら想夫恋でいいね,とも思う.
近所にこの店があったら月に一度ぐらい食べてみたいが,想夫恋との味の違いがそんなに際立たないので,交通費かけてまでわざわざ食べにこなくても,という気がする.
まあ,一度食べればそれでいいのだ.
この店は,焼そば専門店というわけではなくって,ラーメンやチャーハンもあるから,地元の人はそちらを食べてるんだろう.

というわけで,長くかかった昼食を終えて,日田の豆田に向かう.
全く知らなかったが,ここは古い情緒あふれる町並みというふれこみで,「九州の小京都」というキャッチフレーズがついているらしい.

古い町並みの豆田商店街を歩いてみると,さすがシルバーウィークで,観光客がわららわいる.
まあ,町並み自体は地方のよくある観光地で,お土産屋,飲食店等が軒並みを連ねている.
実家の周辺が古い町並みで,こういう雰囲気は慣れっこなので,あまり珍しくもなく,いくつかお土産屋さんにひっかかりつつ,1時間程ぶらぶらして,最後に喫茶店でかき氷を食べて散策終了.
9月下旬だというのに,この日は結構暑かった.

この後は,近くの原鶴温泉に向かって日帰り温泉としゃれこむ.
半年程前にも仕事で来たが,九州の中ではかなり寂れた温泉街なので,原鶴温泉では一番有名な泰泉閣におじゃますることにした.

ここは,大きい風呂が2つあり,日によって男女入れ替えというパターンの温泉.
このときに入ったのは,ジャングル風呂という方の風呂で,かなり大きな空間になんと木がやたらめったらに生えている.
その下で湯船がありそこに浸かるのだが...なんかあんまり落ち着かない.
大浴場は露天風呂のような開放的な方がいいと思っているので,個人的な意見としてはわざわざ草木を植えて空間を狭くするのは,どうかなと思う.
まあ,この辺は好みの問題だから,すごくいい雰囲気だと思う人もいるんだろうけどね.

ここには渓流の湯という露天風呂もあるが,大浴場からは少し離れているので,もう一度服を着てから露天風呂に向かう.
こちらは誰もいなくて,それなりに気持ちよかった.

という感じで,後は,いつものごとく鳥栖アウトレットにちょこっと寄って,無事帰宅.
後でテレビのニュースを見ると,場所によっては高速道路が大渋滞してたみたいだから,そんなに混んでないとこばっかり回ったという意味で,なかなかいい日帰り旅行だったと自画自賛するのであった.


p.s. シルバーウィークでお出かけしたのはこの日だけで,あとは,家の仕事をごそごそやって過ごしたのであった.
やっぱり連休は家で休養するのが一番だね.

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