2007年9月15日土曜日

めかり山荘

昔は公共の宿(国民宿舎や休暇村)っていうのは一般的な宿泊施設だったような気がする.

子供の頃には,徳島の日和佐というところにある,うみがめ荘という国民宿舎に何度か泊まった.
ここは,海亀が上陸して産卵する海岸が近くにあることからこんな名前になっていた.
食事は食堂で食べたけど,特別食か何か追加して子供にはごちそうだった気がする.

最近は仕事で何度か休暇村志賀島にお世話になっている.
志賀島という陸続きの半島(?)の先端にあり,サマーシーズンは海で遊ぼうという観光客でぜんぜん予約はとれない.
特に最近,改装して温泉がついてるようになったので,きれいになってもはや公共の宿って感じじゃぜんぜんなくなってしまった.
個人で泊まってもいいけど,家から近いし,マリンスポーツするわけじゃないんで,わざわざ泊まりには来ないって感じ.

こんな公共の宿の一番いいところは,なんと言っても宿泊料金が安いってことじゃないだろうか.
だいたいどこも平均して1泊2食付きで7000円〜8000円ぐらいでおさまるはず.
ただし,その見返りとして,部屋に洗面所や風呂がないのはあたりまえ.
部屋にあるのは,浴衣とビニールに入った萎びたタオルと歯ブラシセットぐらい.
あ,お茶一式とお茶菓子ぐらいはまあ机の上にあるかな.
フロントサービスもお役人(か,お役人に委託された人)がやってるので,接客ってなに?という感じのところが多い.

そんな公共の宿の1つに今回宿泊しためかり山荘がある.
もちろん個人での宿泊ではなくて,仕事関係の研修会みたいな感じでの2泊3日となった.

この研修会では幹事を任されていたんだけど,宿の選定からかなり困難を極めた.
なにしろ,選定基準が,
”できるだけ参加費を押さえて,40人規模の発表会もできるようにね.”
ということなのである.
具体的にいうと,参加費18,000円ぐらいで,2泊3日で2朝食1夕食1宴会(飲食代込)がついて会議室代も入るようにね,ってそんなのなかなかありませ〜ん.

一般のホテルは会議室代が1日10万円とかとられるので,最初の時点でアウト.
前述の休暇村志賀島にあたってみたけど,改装以降宿泊費が値上げされてて,これも×.
そんな中で残ったのが,めかり山荘だったというわけである.

そんなめかり山荘だけど,結論から言うと,実はまあまあお勧めなのである.

先にネガティブな面を書いておくと,昔ながらの公共の宿をひきずっている部分は多々ある.
ソフト面では,人によって接客の態度がバラバラなこと.
電話でいくつか調整をお願いしたのだが,従業員の1人から,
"え〜と,おたくの部屋は,...."
なんて感じで,話をされたのには閉口した.まさにお役人口調.
でも,そういう感じだったのはごく1部の従業員の人だけで,他のフロントの人とかはビジネスホテル並からそれ以上の接客だったと思う.

ハード面では,古さを隠しきれない建物,は,ちょっと問題である.
まず,予約してた一番大きな会議室が,当日空調が壊れてることがわかって,使えなかったこと.
今時,壊れるような空調って,いつから更新してないんだろうか?
おかげで,少し小さい会議室でやらざるおえず,会議室は満杯だった.

宿泊部屋にはもちろん風呂や洗面所はない.
タバコもすい放題なので,部屋によっては,タバコの匂いがしみついているところもあった.

そういえば,2日目の宴会料理もちょっと問題ありやったね.
実は一人4000円のコースが最低ラインだったんだけど,予算がなかったので無理に3500円でお願いした.
すると,1日目の夕食と同じ小鉢がちらほらと...
ちらし寿司には,ラップがかかったままだし...
それでも,アルコールを切らさないように供給したので,宴会自体はまあうまくいったかもしれない.

とまあ,悪いとこばっかり書いてるけど,それに目をつぶればいいところである.
なんといっても,立地がいい.
近くに門司港レトロという観光地があり,その周辺で安くとまるとなったらここしかないだろう.
今回は,団体ということで,無料で門司港駅まで送迎バスを2回出してもらったが,一般客でも1日1回無料送迎があるようだ.
また,めかり山荘自体は山の上に建っていて,眼下に広がる関門海峡の眺めはなかなか爽快である.

部屋の方も悪口を書いたけど,定員で泊まるとかなり広い.
2名定員で7.5畳ぐらいあって,かなりゆったりと過ごすことができる.
部屋での携帯電話の入りが悪いのはご愛嬌である.
大浴場はそれほどたいしたことはないけれど,朝風呂も楽しめて快適だった.

今回はできるだけ安くって方針だったので,料理の質も落としてもらったけど,ここは10月から3月までふぐのフェアをいつもやっている.
ふぐコースが10000円ぐらいで食べれて,なかなか評判もいいらしい.

というわけで,冬に門司港で遊んでついでにふぐでも安く食べようかというチープな人にはなかなかピッタリではないかと思う.
くれぐれも,建物には期待してはいけないけど,景色と食事を楽しんでくださいってことで.
お金のある人は,四の五の言わずにデザイナーズホテルである門司港ホテルに泊まりましょう.

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