2009年11月20日金曜日

榎屋旅館@湯布院

「誕生日プレゼントは何がいい?」って言われて「旅行!」って答えるやつはなかなかいないらしい.

とあるランキングによると,男性が誕生日にもらってうれしいものランキングは,

1位: 腕時計
2位: 手作りの品物(ニットや小物など)
3位: 財布
4位: アクセサリー
5位: 服

だそうな.
旅行なんて10位にも入っていやしない.

確かに,最近の人はあまり旅行に興味がないらしい.
若い世代は特に.
たまに仕事で一緒に初めての土地に行っても,「ちょっと暇なのでパチンコでもしてきます.」という輩もいる.
見たことがないものや,新しいものに興味がないのかねぇ....

で,冒頭の話に戻ると,この問答が行われたのはもちろん我が家の話で,「旅行!」と言ったのはもちろん自分.
最近は,物をもらうより,温泉にでも使ってのんびり休むのが,一番のプレゼントだと思っている.

が,しかし,我が家の旅行には,一つ大きな問題がある.
お犬様といっても過言ではない,我が家の愛犬の「コロ」である.
子犬のころから甘やかして育ててしまったので,1泊2日の旅行でも一人で留守番なんてとんでもない.
なので,旅行に行く時は,いつも車で1時間ほどのところにある妻の実家に預けるのだが,それだけで前後2日がつぶれてしまうので,なかなか面倒なのである.

さて話を今回の旅行に戻すと,11月の3連休に旅行に行くことは決まっていたが,時間的な制約から1泊2日が限度だった.
が,1泊2日の旅行をするのにわざわざ「コロ」を預けに行くのも大変である.
ポクポクポク.....(一休さんのやり方で考え中).....チーン
そうだ,「コロ」を連れて行けばよくね?

というわけで,選定されたのが今回のお宿の榎屋旅館である.
実は,最近はペットを連れて宿泊できる旅館やホテルが相当数存在する.
もちろん,ペットは必ずケージに入れてくださいっていう厳しい宿から,どこを連れてまわってもかまいませんっていうおおらかな宿まである.
今回宿泊した榎屋旅館は,実は徹底的に後者の方で,どこに犬を入れてもいいという大変珍しいお宿なのだった.

湯布院のメインストリートから路地を1本入った目立たない場所に榎屋旅館はある.
到着すると,早速出迎えて頂くが,玄関に入ると,足拭き用のタオルとペットシーツが置いてあるぐらいで,まったく普通のちょっと昔風の旅館と変わらない.
が,ペットの足を拭いたら,あとは普通に上がっていいのである.犬だろうと猫だろうと.
床は板張りできれいに掃除してあるので,まったく問題がない.

部屋についても,もちろん犬だろうと猫だろうとそのまま入ってよし.
今回はかなり広めの部屋ですでに蒲団が敷いてあったが,もちろんそんなのお構いなし.
我が家の「コロ」は部屋に入ると,早速においをかぎまわっていた.

ただし,慣れない場所で最初はかなり不安そう.
犬にとって,慣れてないにおいしかしない場所は,かなり緊張するのだろう.

一度ふと部屋のドアを開けると,外に出たかったらしく,「コロ」がするりと部屋の外に.
「待て!」と追いかけると,「コロ」も長い廊下をダッシュで逃げる.
犬は基本的に追いかけると逃げるので,廊下の端まで行って「もう止めた」とくるりときびすを返すと「コロ」も振り返る.
そのまま部屋まで早足で帰ると,置いていかれるのはいやなので,「コロ」もダッシュでついて来るのだった.

ちなみに,人間から見ると部屋は広めでしかもきれいにしてあり,居心地のいい和室だった.

一息ついた後は,さてやれやれということで,温泉に入ることにする.
もちろん,さすがに犬は温泉に入れてはいけないので,部屋でお留守番である.
ところが,2人で温泉に行こうとすると,知らない場所に置いていかれると思ったのか,必死のアピールでついてこようとする.
まあ,確かにこんな場所に置いていかれるのはやだもんな.
というわけで,嫁と交替で温泉に行くことにした.

ここの旅館の温泉は,なぜか脱衣所を出ると露天風呂があり,その奥に洗い場がある.
まあ,改築したのでこんな珍しい形なんだろうけど,お風呂自体は快適だった.

風呂から上がると,湯布院を一通り散歩.
といっても,犬連れの散歩なので人通りのない道を金鱗湖まで行って,あとは畑の中などを通って帰る.
やっぱり湯布院の散歩は気持ちがいい.
ゴミゴミした土日もそれはそれで面白いが,人の居ない平日の方が湯布院の趣が深く感じられてよい.

夕食は,旅館に併設,というか旅館の大将が経営の小さな居酒屋「炙り屋浩二」で頂く.
なんと,ここも「コロ」はOK.
実は,最初は食事所に犬連れはさすがに気まずいなと思って,連れて入店しなかった.
が,他のお客さんが犬を2匹連れて入ってきたのを見て,嫁さんが部屋に連れに戻った.
最初は「コロ」はおおはしゃぎで,他のお客さんの犬やお店の人に「なんかくれ」とちょっかいを出しまくり.
お店からは特製のパンケーキをもらい他のお客さんからジャーキーをもらい,といろいろごちそうをもらった後は,さすがにお腹がいっぱいになったらしい.
最後は机の下でおとなしく主人の食事を待っていた.

ちなみに,ここのお店の味は普通の居酒屋さん.
が,観光地プライスなので,ちょっとしたお酒がおそらく高すぎる.(値段が書いてないやつが多数)
適当に飲み散らかしていたら,いつも居酒屋で支払う金額の1.5倍ぐらいの値段になっていた.
まあ,観光地なのでいいか,と思いつつ部屋に帰って就寝.
「コロ」も自分の毛布の上でおとなしく寝ていた.

次の日は,湯布院の冷たい空気の中を気持ちよく散歩した後,朝食をいただく.
なんと,朝食会場も「コロ」OKである.
意外と人間の食べ物をねだることなくおとなしくしており,宿の人からも「おとなしい犬ですね」とのお言葉を頂く.

最後は,チェックアウト時に「コロ」と飼い主の記念写真を撮ってもらいおしまい.
さすがに「コロ」と一緒だとあまり湯布院の街を散策できないが,初ペット旅行という意味では非常に居心地のいい御宿だった.
ペット連れの人には,非常にお勧めである.
今度は暖かいときに来てみたいね.

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