また,あいつは俺をほっぽって出て行きやがった.
俺に飯を食わせるのがお前の仕事だろうに.
俺の世話をするのがお前の仕事だろうに.
また,あいつは何の前触れもなく,俺をほっぽって出て行きやがった.
朝から俺は家の中に取り残されたまま.
あいつのいつもの鞄は部屋に残されたまま.
おかげで,食事ものどを通らない.
家から出歩く気も起きない.
外は雨だし,陰鬱な一日.
ひたすら,ふて寝をするだけの一日.
あ〜,なんて無情な生活なんだろうか.
こんな生活つまんないな.
俺もあいつ見たいに時々家出できたらいいのにな.
かといって,行く宛もないけれど...
次の日に,やつはケロリとした顔で帰ってきた.
いつもとほとんど変わらない様子だけど,手には何かいつもよりたくさん荷物を持っている.
なんでも,広島っちゅうとこに仕事で行って,そのあと実家のある岡山っちゅうとこに寄って来たらしい.
いつもは持ってない荷物は,「お土産」とかいうものらしいが,俺にはぜんぜん関係ない.
そんなものいいから,また明日からまたちゃんと散歩に連れてって,エサを食べさせてくれワン.
(文責: 久しぶりのコロ)
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