2006年12月24日日曜日

ANA 795便

計画は完璧なはずだった.

1年間の出張で貯めたANAのマイルで,クリスマスに骨休めの家族サービス旅行をしよう.
行き先は15,000マイルで行ける最も遠い千歳空港まで飛行機で行って,空港から無料送迎バスが使える登別温泉にしよう.
そして,ちょっといいホテルに泊まって2日間何もせずに,ゆっくり骨休めをしよう.

と,うまくいくはずだった.

前兆が現れたのは,出発当日の福岡空港でのチェックインカウンターである.

「お客様のご搭乗の飛行機は,天候調査をしておりましたが,定刻どおり出発いたしますのでご安心下さい.」

そんなこと言われても,なんのこっちゃ?である.札幌や登別の天気予報は調べていたが,雪のち曇り,という普通の予報だったので,また大雪になりそうだったのかな,という印象だが,定刻通り飛ぶのなら問題はない.

飛行機は定刻に福岡空港を離陸し,新潟上空まで順調な飛行を続けていた.ところが,そのとき,機長からの機内放送が突然入ってきた.

「え~,機長からご搭乗の皆様に連絡申し上げます.現在,千歳空港は天候不順のため,2本ある滑走路の1本を閉鎖し除雪しております.着陸を順次行っていますが着陸が混雑しており,当機は秋田上空で先回待機をしますので,当機の着陸は40分ほど遅れる予定です.」

やれやれであるが,これぐらいのことは想定内である.
こんなこともあろうかと,送迎バスの出発時刻は到着予定時刻の1時間半後にしてある.だから,40分ぐらい遅れても,ぜんぜん大丈夫だと余裕のヨッチャンイカであった.
(注: どうも"余裕のヨッチャンイカ"というフレーズはわからない人もいるらしいが,気にしないこと)

ところが,秋田上空を先回中に流れた機内放送は,予想外であった.

「え~,誠に申し訳ございませんが,千歳空港の着陸が非常に混雑しているため,当機は函館空港に着陸いたします. お急ぎのところ誠に申し訳ございませんが...」

ざわわっ,っと機内の空気が一変する.
そりゃそうだろう,北海道に住んでる人はまだいいが,福岡からの旅人がいきなり函館で降ろされてもどうしようもない.
どうすればいいのかいろいろ考えてみるが,機内ではインターネットも使えないので,情報の集めようもない.どうやら,函館空港に到着後,地上係員から説明があるようなので,おとなしく待つことにした.

数十分後,飛行機は何事もなかったかのように函館空港に到着したが,その後のANAの対応は手馴れたものだった.
(1) 降機時に,ボーディングブリッジで函館駅→札幌駅の特急乗車券引換券を渡す
(2) ラゲッジクレーム後に函館駅への臨時バスに乗せる
(3) 函館駅についたら,JRで特急乗車券に引き換えさせて,札幌行きの特急に乗せる
乗客は,とりあえず指示通りに動くだけである.

その後,特急をJR登別駅で降りて,更にバスに乗り換えてなんとか登別温泉にはたどり着くのだが,予定より3時間遅れの午後6時半ホテル到着であった.
しかも,JRの特急はかなり混んでたため,疲労も倍増.何をしに,登別くんだりまで来たのか...という感じである.

ただし,1つだけいいこともあった.
たまたま今回の飛行機では,アップグレード券なるものを使って,無料でスーパーシートに座っていた.そのため,降機時に,
「じゅうぶんなサービスができなかったお詫びです.」
と,ANAの職員から渡された封筒が,ページ先頭の封筒である.
つまり,函館に到着したおわび料が5,000円というわけであるが,3時間到着が遅れるかわりに一人5,000円のバイトをしたと思えば,なんとか我慢できる範囲かもしれない.

後で調べてみると,同じ日の伊丹発千歳行きの飛行機は旭川空港に着陸してたり,千歳発福岡行きの飛行機は欠航してたりと,この日はもっとひどい被害を被った人がいたようである.

教訓: 冬の北海道で飛行機に乗るときは,目的地変更や欠航があるので注意すべし.

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